【批評祭参加作品】ネット詩批評(2)/相田 九龍
 
、何くそと思ったりしながら自らの詩を見つめ直して詩の才能を開花させていった。
 ネット詩はそういう"育つ現場"として詩誌や朗読の現場を抜いて一番大きくなっている。これからもネット詩は存在し続け、その存在感は益々大きくなっていく。膨大な情報の渦の中で詩人たちは呑まれるのか、或いは何かを打ち立てるのか。
 分母分子論という論が存在するそうだ。「ある世代にとって土壌とした背景が分母で、そこから生まれたその時代の作家の作品群が分子としたとき、次の世代にとっては前の世代の分子が分母として加わっていく」。この論に依るまでもなく、ネットという現場で何も積み上げることなく無為に時間と有効な
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