アスラエル/チアーヌ
 
えた。
 それだけになかなか死ぬに死ねず苦しいのに違いない。
 若いのは俺とその男だけで、あとはみな高齢者だった。
 その若い男はベッドに手を縛り付けられていた。
 点滴や酸素マスクをむしってしまうからということらしいが、たまに正気に戻ることもあるらしく、縛った手をほどいてくれだの、苦しいから起き上がりたいだのと言うので哀れだった。
 起き上がりたいという気持ちは俺にもよくわかった。 息苦しいときというのは、とても横になって寝てなどいられないのだ。
 横になっているとひどくなってくるので、少しでも楽になれるよう、いろんな姿勢を取りたいはずだ。
 しかしそいつは縛らなければならないから
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