Blue Heron/月乃助
わずかな音が耳についてはなれなくても
それが何かを確かめる必要もない
みずからの影に少しの間、どきどきとしながら
それが本当に自分のものかを判別しては
背に受ける陽の温かさを感じている
それだけで、幸せになれるのかもしれないし
多くを考えず、計算高くなることもできず
また、ぶきように足元を見つめて進む
そんなことは、ここでは
誰もがしているなどと 気にもせずにいるなら
自分の歩幅で歩くことだってできるはず
それが、許されるのではなくて
それを望むのでもなく、自然に
でる足の行き先をただ、ほんの少しばかり
ありがたがって
生きている
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