【批評祭参加作品】詩人は、ことばだけで勝負するんだ!?/角田寿星
よね。当時でも期待のパフォーマンスだったのでしょう、きっと。パフォーマンス自体はそんなに悪くなかったんですけどね。
彼女の当時の失敗は、ひとえにテキスト選びにあったのではないかと考えてます。月の神秘と狂気をあらわそうという詩篇でした。
舞台に白い法衣のような衣装を着た群像が浮かび上がる。その中央に、同じ衣装を着た白石さんが立ち、青いスポットライトを浴びる。神秘的なことばの数々を読み上げ、一呼吸おいてひとこと軽く叫ぶ。「ルナティック」と。
それは、詩篇のキーとなるところでなんべんも繰り返される。「ルナティック」「ルナティック」「ルナティック」…
ぼくらは少しづつ語り合いました。「あれ
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