【批評祭参加作品】谷川俊太郎インタビューから考えた事/大村 浩一
 
ュー「詩はどこ
へ行ったのか」もまた、私のこの拙文と同様に「詩の影が薄らいでいく」こと
への危機感から試みられた取材記事だ。この 130円で誰でも買える谷川氏の言
葉に対して、何箇所か取り上げて私が思ったことを書いてみたい。

○「詩が希薄になってきた」
 統計的な実証はともあれ、間違いのないところだと思う。瀰漫(びまん)し
ていると谷川氏は書くが、私としてはそれは昔からあるもので、ただそれら作
品のポエジーの源が詩作品である、といった事が無くなってきたと感じる。最
近の芥川賞でも、意識的に現代詩的なメタファを使っているのは諏訪哲史ぐら
いじゃなかろうか。つまり日本の現代詩は今
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