【批評祭参加作品】谷川俊太郎インタビューから考えた事/大村 浩一
 

たが、専門出版社に従属した価値観に甘んじたために、結局は失速した。

 それに対して短歌・俳句では、形式を固守するために結社による活動が維持
されたため、詩を作るための技術や知識が継承された。伝統的な詩形式なるが
ゆえに社会的な趣味としての認知もあり、新聞も投稿欄を持ち続けたし自費出
版も専門誌も堅調に続けられてきた。(経済的なバックボーンがあった、とい
うことを言いたい)…それがここまできて、口語短歌認知の動きとともに大き
な隆盛を見たのは印象深い。過去からの知的資源と、新しい才能がぶつかりあ
って、今日活況を呈している。
 しかし逆に言えば、これも現代詩がかつて来た道、
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