透明で無害な煙草、倍速で行われる会話、無目的的な快速電車/robart
 
ない日本語を二言三言喋った後は、得意の英語をまくしたてるバックパッカーまで。先日は牛丼チェーン店の自動扉に狼狽する外国人夫婦に話しかけられ、僕は食べたくもない牛丼を食べるはめになった。しかもこの夫婦はドイツ人であり、僕は大学で習っただけのたどたどしいとしか言いようがないドイツ語で(英語を交えつつ)、牛丼についての説明と、店員と老夫婦のコミュニケーションの橋渡しをすることになった。もう一度念を押しておくけれど、これは自慢話じゃない。自慢に思えたなら、別にそれはそれでかまわないけれど。そうそう、その老夫婦曰く、手で触らないと開かない自動扉なんて、はじめてだという。ドイツにはないのか、と尋ねると、フラン
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