消印のない手紙??参考資料⑥/robart
彼を紹介しておくと、アメリカの小説家だった男なんだ。ちなみにもうずっと前に死んでいる。飛び降り自殺のようだ。彼の遺体は見事にぺしゃんこだったと当時の地元の新聞は小さく伝えている。死人に会ったと言うと、君は気味悪がるか、気でも狂ったんじゃないかと思うんじゃないかな。確かにその通り。それでも彼に会ったのは事実なんだ。そう、おとといの日曜日だった。行きつけのスナックは、その他諸々のスナックと同様に日曜だから閉まっていて、仕方なくネオンの灯った小さなバーに入った。レトロな店で、演奏家たちのアンティーク人形とウイスキーの瓶なんかが交互に置かれていた。マスターはちょびヒゲを生やした、いかにもって感じな中年男性
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