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海 猫
駅のホームは
どうしてこうも美しい
パレットのように
混沌とした感情を
無機質な鉄の塊が連れ去っていく
流れる景色に思い出を溶かしながら
新たな始まりに胸がギュッとなる
戻れない
戻りたくない
ふわりと翔んでいきそうな心を
握り締めて
真っ白な街を歩き出す
駅のホームは
どうしてこうも美しい
何か始まり
何かが終わる場所
それはまるで
コンセプトのない一枚の絵のようだ
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