おやすみ/伊織
娘には愛を受ける権利がある
娘には、すきなときにだっこをしてもらう権利がある
父親の記憶のない娘を不憫に思い
祖母は惜しみなく愛を捧げた
自分の娘に届かなかった愛もセットにして
両腕でかかえきれないほどの愛を捧げた
ところが娘にとって親といえば母親であり
母が仕事から帰ると満面の笑みで
「おかえり」と「抱っこ!」を繰り出すのであった
母はとりあえず娘を抱くが
体が
ちいさい
母は知っていた。
誰かを抱くためには誰かに抱かれる必要がある
母は娘が寝ると携帯電話を握り締め
常に話し中のいのちの電話に一時間リダイヤルしたり
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