夜半まで/
しべ
米屋と倉庫の並びから
黒松のある石段までやってきた
市営バスの
卵色のソーダ水が
窓の中で揺らめいてる
並んだ頭はみんな後ろ向き
漬け物屋の側面広告にネコがいる
二夜の灯りを懐かしみ
噛んで進む
旧街道はひとりきり
南東からは微かな笛の音
近道するなら次の角
だったけど
見えない埃を巻き上げ
バスも遠ざかり
どこやら
かちかちと水銀の海を
星も無いのに歩いている
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