兄のマル/喫煙変拍子
るがまま、僕は再びマルへ入った
“もう1回”
また兄は笑っていた
言われるがまま、僕は再びマルへ入った
“ブヘハハハ ブヘハハハ”
兄は腹を抱えて笑っていた
僕の足はもう兄の命令を受ける前にマルの中へと進んでいた
“グヒフフュヘ ブヒバフュヘ”
地面にひれ伏して笑っていた
呼吸困難にもとれるその肺の音を僕は心地良く感じた
心地良く感じて僕はマルへ入った
マルの中には電飾が施してあり、それはとてもチグハグでまるで兄のようだった
マルを出ると兄はいなかった
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