午後の月/月乃助
のあまく澄んだ
やさしい想いが落ちてきそうで
それを受け取ろうと
差し出したりする手は、それでも
その疵口に小さな指をさしいれ 天空をひどくかきまぜたりする
( そんなことをしても手をよごしはしない )
愚かなことなどでは ないのです
空の半分はもう夜のはじまりに 色をかえ
透明に見えている
月と星の託宣をほじくりだして、ガラスの器にいれ
少女だけのクリスマス・キャロルにして聞いてみたい
( 願いなどではないのです )
新月になってしまえば、消えてしまいそうで
もう知ることもないのですから
クリスマスには半月がのこされる
半分を失ってしまうのは、めぐり合わせ
それがために、今のうちに手にできるものは、
大事にとっておかなければ
なりません
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