午後の月/月乃助
 
{引用=

風花が舞っています
ほんの少し顔をあげて
少女が 見上げる
( 幼さをふりおとした横顔は、りんとして )
おぼろげで 消え入りそうな
白い半月が、南の空たかく
午後のクリスマスの街を 見下ろして、
何かを告げるでもないのに 祈るような
信じることが、できそうな
月がおしえてくれることを
わかった気がしたのです
( それがために涙がおちたりする )
昼間に 輝くこともなく
空にぽつねんとしている それに
心をうばわれたりするのは、
プレゼントを渡せなかった少女の
にぎやかすぎる街に なじめずにいる
悔悟かもしれません
月の切り口から クリスマスのあ
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