R.S.V.P./月乃助
 
R.S.V.P.
それは、きっと
一つの世界の終焉
幕がおりてしまえば

手の温もりをさぐりながら、
かわらぬ笑顔が
かえってくるのに
人のさわがしい声ばかりが
するのです

重い巨きな緞帳を、窓辺のカーテンのように
触れてみたらいい
返ってくるたよりない斥力に、それを動かすことも
今はできないから

つづきは、あるのですか

さっきまで荘厳な
別な世界をさまよっていた
明かりをうけながら
そこでしか生きられない ものたちも
ひびくほどの幸せそうな声が、女の体からあふれていたのに
今は、その奥になにがあろうと 無音のためらいに
沈黙ばかりが ひろがっ
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