本能が怖い話を拒絶する 下書きメモ/結城 森士
と考えたこともある。周りにもオカルトマニアのような人もいて、科学の発達した現代に生きているといえど、心霊現象に興味を持つ人は多い。
科学は様々な不可解な現象を解き明かしてきた。カマイタチの存在は乾燥した真冬に起こる真空波だし、人魂の正体は雷雨の日などに発生する球電だと言われている。
コックリさんや狐憑き、悪魔憑きなども、今で言う精神病のようなものだろう。しかし、本来、不鮮明で謎に満ちた神秘的なことを科学が解明し、理論付けて説明してしまった結果、混沌に満ちた刺激がなくなっていった。
かつて、夜の歩道は電灯も少なく闇に満たされていた。その闇の中にはお化けや妖怪が住める空間が存在していた。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)