本能が怖い話を拒絶する 下書きメモ/結城 森士
た。しかし今は電灯が整備され、深夜でもコンビニが明かりを灯し、どこもかしこも明るく照らされていて、お化けや妖怪の住むべき領域が激減してしまった。
そんな中、整頓された世界から脱却をしたがっている人も多くいる。その人たちの多くが魅力を感じているのが、科学と隔絶されたアンダーグラウンドな分野であるオカルトである。科学では解決できない混沌とした世界。
それらは、知ってはいけない世界だ。しかし人は知ろうとする。知ろうとする人は勇気があるかもしれない。しかし同時に精神が破壊される可能性があることも覚悟すべきだ。怖い話は精神状態を不安定にする。本能はそれを恐れているのだ。その本能を無視してまで怖い話に触れようとする人は、ある意味で合理的であり、真実と向き合おうとする誠実さを持っている。しかし、それが本能に逆らっていることを理解しなければならない。本能は怖い話を拒絶している。そこに精神を破壊させる狂気をはらんでいる。
しかし、そこには夢が詰まっている。アイデアの宝庫の気がしてならない。面白い。
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