アルルカン洋菓子店/
瀬崎 虎彦
に試験期間がやってきて、大学生の青春を腐らせるための長い、長い春休みがやってくる。だから、本当はもうあなたに会えなくなる日が近づいている。
あとになって振り返るんだ。たわいもない話をして過ごした時間が、あんなにも素敵だったのだと。
そしてわたしは、あなたがいなくても一人でその喫茶店に行く。あなたが面白いよ、とすすめてくれた『トリストラム・シャンディ』という本を読んで、紅茶を飲む。入り口のドアが開かれるたびに耳をそばだてながら。
戻る
編
削
Point
(3)