ガーベラさん/瀬崎 虎彦
ない授業など彼ら彼女らにとっては負担ですからね。僕だって前の日から準備をして授業をするわけですから、伝えたい、教えたいという気持ちはあるのに空回りしている。そういう授業が続いて、随分落ち込んだこともありました。
とてもお世話になっている先生がいるのだけれど、ある日その方に相談してみたんです。そうしたらね、授業なんてものは場数を踏まなくてはうまくならないし、緊張するのは仕方ない。誰もが通る道だ。ただ、自分の心を落ち着かせるための小道具を用意しなさい。それで毎回同じような気持ちで授業を始められるように心がけなさい、という助言を下さったんです。
たとえば腕時計を外して教卓におくとか、気に入ってい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)