おわりのはじまりの歌/tutty
 
窓の外は

透明のゼリーで埋まっていて

燃える煙とエラが開くたびに気が付く

体の綺麗なカーブは重たい体と悲しい彼女の顔を隠すためにある

ゼロ角度のカーブ

スローカーム

ただれたガチョウの胃腸は、フォアグラのソテーの生け贄

死は気付かせる。酒は囁く、生とは忘れること。

ならば今の窓の外、エラの付いた男、ゼロのカーブの女。皆は何の為か

それとも俺は死んでいるのか

生きながら死んでいるのか

この涙、誰のフォアグラのテリーヌになるのか


もう彼は分からないだろうけど

カンブリア期に絶滅してしまった仲間達の歌

それは微生物
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