Toe shoes/月乃助
同等の物を、靴の仲間を探していたはず、 】
― 守る、守られる、保護したり、どれだって、靴が仲間に求めるもの、
それが、今、ここにはないから、
求めながら、失っているのかもしれない、だから、欲しがる、
【 まるで、靴になったような物言いだね、 】
― だって、そうよ、あたしはずっと前に靴だったかもしれない、
生まれ変わるのは、動物や鳥の話じゃないって、
これは、あたしの想像かしら
靴になった気分、
それを味わいながら、裸足のあたしは、靴を放棄するの、
それって、靴を否定することじゃないからね、
だったら、靴もサンダルもブーツも…
【 ああ、難しく考えるのはよそう、
結局、トウ・シューズみたいなものさ、
靴の気持ちは分からないってこと
街を歩く感覚さえもね、だったらそうしたいって、
言ったらいいさ
一生に一度くらい
よごれるにまかせて、
好きなところを好きなだけ 歩くのさ、
それが ほんとうにできるのを夢見ながら 】
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