観察/山中 烏流
 


きみを私が羨むとき、
その周りでは
数えようも無いほどの人々が
様々な考えを巡らせていて

色々に過敏な、きみだというのに
そのときばかりはどうしても
どんな私のこえも
聞きこぼしてしまうらしい


きみの首に下げたイヤホンから
流行のロックンロール・ミュージックが
聞こえる



単純に装うほど
方向はきっと、捻れてしまうもので

綺麗な風景を描くよりも
キャンバスを叩き割ったり
筆を折ったりして過ごす方が
面白そうに思えてしまうのは

きっと、そういうことなんだろう



多くを望まない姿勢を望めば
きみは、私を嘲った
そう
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