12月のボーイズラブ特集 副題:知と愛の接触/済谷川蛍
ようなメールを、「毎日が退屈で孤独だ」と嘆く女性を装った巧妙な出会い系メールに返事してしまった。わたしは己の浅はかさに嫌気がさした。
でも荒涼とした人生にも、思わぬ天佑によって美事な薔薇が咲くこともあるものだ。わたしは告白された。相手はなんと、男子高校生だった!
二
わたしはマウンテンバイクを玄関に置いている。バイトに行くために自転車を押しながらドアを開けて外に出ると、一人の少年が立っていた。わたしはなるべく気にしないように出たのだが……。彼は「すみません」と言って手紙を差し出した。そうして別れた。なんということだろう。それは恋文以外の何物でもなかった。この少年はよりによ
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