世を去り逝く詩友への手紙 〜追悼・川村透さん〜 /服部 剛
 
 今夜、遠い空の下の鳥羽で、一人の詩人の通夜が行われた。その時僕は、旅先の秩父から、地元の鎌倉へ戻って来ていた。何処から書き始めるべきかわからないが、川村透という詩人は、その正義感の強さ故に、かなりハードな日々を生きていたことを、時折このサイトのチャットで語り合う度に感じていたので、知らせを聞いた時は、ある意味で(殉職だ・・・)と思った。 

 昨夜僕は、旅先の秩父で宿に入る前、夜道を散歩しながら、秩父神社の境内の入口から夜空と白い月を見上げながら、一人の詩人の魂が、宇宙へ還ってゆくことを思い、胸に手を当てながら、祈っていた。 

 ふたたび歩き始めた僕の耳にはイヤフォンから聴こえるブルー
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