霧雨の子/
しべ
排煙を吸い込んだら空は少しむらさき
雨粒が落ちてきて
埋め立て地をバスは大きく旋回する
木場を眼下にカラスの姿を借りる
ぎらっと赤い橋の手前
白い橋の薄暗い輪郭に
3つの傘が揺れる
この子たちの世界は
小雨のカーテンでくるまれて
言葉を選んでるうちに
今はもう5キロも後ろ
彼らが決して触れない軌跡
それは誰の目だろうか
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