風の声援 /服部 剛
 
わたしはここで 
世界や国を変えようと 
背伸びをする訳でなく 
只 
目の前にいる 
ひとりの人が倒れていれば 
明日を待たずに 
手を取って 
不恰好な二人三脚で歩いていると 
やがてぼんやり見えて来る
遥かな天へとつながる 
ひとすじの道 
霞の向こうにあらわれる時 
不思議な風の声援が 
凡庸なる私の背中を、押すのです 


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