口髭で人はノロけられるのか/robart
 
少し曇る。(どれだけクーラーを効かせていたのだろう?)蝉の声がする。パースの狂った青空と高層ビルが僕を辟易させる。入道雲は中学生の性欲みたいに膨れあがっていて、今にもはち切れそうになっている。(空からおたまじゃくしが降ってきたというニュースが昔あったけれど、考えてみればかなり象徴的なエロティシズムだ。)
自転車が歩道を駆け抜けていく。殺人的混雑。
「口髭万歳!」と彼女は笑う。
まぁ、こういうのも悪くはないんだけれど。
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