エピプロ?希望だけ残して?/木葉 揺
琥珀色の部屋
細い指先が伸びれば、
全てが開放されて
あたりに充満する
あの日から
いくつもの罪を
学問と呼ぶことで
耐え忍ぶ人たちは
かろうじて名を残した
パンドーラ
あれから
どんな夢を見ましたか
ロックの氷が溶けてゆくと
二人の兄弟の間で揺れた
あなたを思い出します
今度目覚める時には
妊娠したり
育てたりして
笑いながら過ぎてゆく
そんな人になっていたい
柱時計が鳴り響いています
グラスに目を細めていると
頬杖の腕が痛くなってきました
明日の準備の前に
ジュエリーボックスを覗いてみます
おやすみ
またいつかお話しましょう
戻る 編 削 Point(8)