『かえるのこ』/東雲 李葉
 
国語の時間にはきれいな言葉を集めていた。 
先の先のページまで読んでノートにたくさん、たくさん書いた。 
すると後ろの女の子たちが、 
「ねぇ、ねぇ、何書いてるの」って、おさげを引っ張って笑うから。 
「弔いの言葉よ」って、 
喉の奥でつぶやいた。 
※ 
算数の時間は、あとどれくらいで終わるのか。 
授業とか、学校とか、10代とか、人生とか、 
とにかくいろいろ逆算するのが好きだった。 
あとは誰も知らない生年月日を、 
足したり、掛けたり、引いたり、割ったり。 
自分につながる数字ってなんだか特別な気がしてた。 
※ 
社会の時間
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)