架空の国と、マクドナルドでゆっくりと立ち上るタバコの煙/robart
 
かなどは見当もつかない。)国民に僕の存在を知らせ、恐怖をあおった。

僕は僕なりに戦闘準備を整えていた。解熱剤と、鎮痛剤と、精神安定剤を入手した。それと兵器に関する専門書を通読した。

今僕はマクドナルドにいる。それなりに店内は混んでいて、ほとんどの席は埋まっている。花粉が飛散しだしたらしくマスクをつけた客が散見できる。僕はチーズバーガーとコーヒーを注文して最奥の席に座った。チーズバーガーの包装紙を開き、かぶりついた。コーヒーにシュガーとミルクを入れ、ポケットからタバコを取り出した。
A国にも国際法は適用される。
僕はそっとタバコに火をつけた。ゆっくりと立ち上る煙は開戦ののろし。

僕はA国にとびきりの核兵器が落とされるのを、躊躇なく想像した。
戻る   Point(2)