架空の国と、マクドナルドでゆっくりと立ち上るタバコの煙/robart
建っている。これは実に妙なことだ。僕の想像が僕を越えだすと、僕は僕の責任を果たせなくなる。僕はA国が島国のときも、砂漠の都市国家であるときも、あるいは近未来的であったり退廃的であったりしたときも、それなりにそれなりの対応をしてきたつもりだ。島国であれば僕はハリケーンを想像しないように心がけたし、砂漠の国では近くにオアシスをいくつも点在させた。近未来的な様相を呈していても、クローン人間の倫理問題を国民に十分に議論させたし、退廃的であっても生産性は維持させた。架空の国の人間にも人権はある。しかしそれよりもまず僕に人権がある。
最近では彼らは僕の存在に気付いたようで、僕の現実世界における行動に口を
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