「花 束」/月乃助
 
それだけでは意味もなさない
星座にもならない
名もない星のように

星雲の輝きをもとめない
リンゴの香りは、
言葉のすき間をうめる 【コトバ】たち
路地裏にころがる
使い古しを捨てさったら、

きっとそこにある
言葉にかわるもの

願い、つないだ手がつたえる
同じあたたかさの ぬくもりや、
差し出された、何でもない日の花たばも、
一緒に見上げた冬の星空にもあった、
言葉にならない【コトバ】が、
たくさんあつまって

頼っていたりしたら つたわらない
流れ星になって
 言葉をすこしばかり
   投げ捨てて
ちがうものを さがしてみる

だから、
ほろほろと、広げた手のひらから、
落ちていく
言葉たちにわるくて、
今日の詩人はあきらめ気分で
夜空の月影に 身をひそめ
かくれていたりするのです




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