無題遮光の夜/瓜田タカヤ
 
無題遮光の夜

見回しても、夜は遮光の空間
日明かりの推進力は彼の地のオーロラ
犬歯に唾液映える虹の渦巻きにトドマる
蠅の羽音は次元を越えた悲鳴か私の瞬き
妄想は知れぬ運河に堆積するが、
濡れた死体を哀れむものはいない
肉体と人形が引き離され泣きだし立ち尽くす
世界中の裁ち鋏が冷たく濡れて温もりを探してうごめく
鳥が笑う
黒い鍵盤のみが艶やめく
単細胞生物に目の誕生を促すように
いくら目を見開いても極限の闇が
循環し枯れ葉のインプロヴィゼーションを連れて反響する

マニラかきちがいのような幸福ですすった
豚の血管蕎麦が果たして本当に豚の血管であったのか

夢想
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