11月のボーイズラブ特集/済谷川蛍
 
子は顔を真っ赤にして
 「っつ…あ、あの…」
 他の大学生が階段を下りてきてしばらく僕らは妙な構図のまま動きを止めた。大学生が去ったあともなかなか凍った時間が溶けない。高野山の気温は3度ほどだろうか。
 「お茶でもどう。僕はとても寂しいんだ。もっともそれは自分が望んだ結果なんだが。今日は特別な日なんだろう、たぶん」
 3人の女子高生の顔をじっくりと見た。想像していたのと全然違って大した器量ではなかった。化粧をしておらず、丸出しのブスだった。セーラー服だけが救いになっていた。男子は…。こちらは告白するだけあって整った顔立ちをしていた。俯いてるときは美少年に見えるが、たまに角度が上がる
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