懺悔/エルメス
 
「間違いは誰にでもある」だとか

「罪を憎んで人を憎まず」だとか

そういう免罪符のような言葉は きっと

過失のない過ちに対して使われるべきだろう



いつも 気付くのは 傷つけた後で

傷つけている瞬間には 何の悪意もなくて

しかし これこそ心に潜む真の悪意だと 後になって いつも思う


思い出すと 夢のようだ

夢のように 客観的に見てしまう

それはつまり 自分がやったことだと思いたくないという 逃避


謝ったところで どうして許してもらえるだろうか

今 土下座をして罪を悔いているその心は

ついさっきまで 刃物を振り回して
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