水辺で将門の骸を踏みしめて、晩秋/都志雄
 
縮みかけた風船、のよう
ぶるぶる震え

人気(ひとけ)のない沼の奥
濡れ落ち葉を恐れない子

カスリーン以来だったの

ねぇ

土手から溢れ波打つ黄金色

ブーツが砂州にめり込むよ

血の滲む夜明け
それは忠実な反映

ですか

空に崩れ落ちていく
この翼

孤独な風
孤独な風

伸ばした指先
虹はじけ


ねぇ








戻る   Point(1)