揺れるブランコ/
楽恵
最近では人の姿もめっきり少なくなった
街角の公園
細い木立の合間
ブランコが木枯らしに揺れる
寝そべり始めた太陽が
砂の上にいくつも影を落とす
錆付いた遊具やベンチの
忘れ形見を残す
夜が来るのだと
意地悪く囁いてみる
そのブランコには見覚えがある
甦った記憶と僕のあいだを
木枯らしが吹き抜ける
今は鉛色の滲むブランコに
確かに君は座っていた
君が座っていた
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