「三元素」/月乃助
 
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悲しむことなどいつでもできるのです 

とどかない想いは、手にあまるほどなのに
あきらめない
今という日をすごす 今日

           透明な引き潮は、
小さな入り江の水底(みなそこ)へ
うちよせては、光のしじまを
らくがきよろしく 描きます

           賢人の教えを
枝のワライカワセミがさとすにまかせ、
愛情(エロス)は、三元素からなるのだと
 ■欲望■混沌■暴力 
あふれだす水の流れの乱れが、おさまらない
それがうまく混交しながら
人は想いをかけ、生きているのです

どれがなくても、存在価値をうしなってし
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