青い鳥 /服部 剛
夜行列車を降りた旅先の富山で
朝から無人のグランドに行き
雪化粧した立山連峰に目を細めながら
お兄さんと、キャッチボールをした。
玄関を開いて部屋に入ると
春に生まれたばかりの甥っ子が
ママに凭れて立ちながら
僕に向かって、微笑んだ。
7才になる姪っ子は
ヴァイオリンの
ミニコンサートを開き
エーデルワイスを、奏でてくれた。
姉ちゃんがこんがり焼いた
柔らかい豚の生姜焼きを
皆で食べた夕餉は
不思議なほどに、美味かった。
*
鎌倉へ帰る前夜
近所の焼き鳥屋で飲みつつ
お兄さんに、誰にも言えない
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