バスガス爆発/七味とうがらし
目の前のシルバーシート
半分だけ腰掛けて
杖をつき
キラキラのマフラー
この行き先について案じているから
パックリしたポケット
手を伸ばせば簡単に抜き取れそうな財布を抜き取る
そんな想像をしている私の襟が
首の後ろで折れ曲がってネクタイされている部分を直してくれる
想像をしている後ろのサラリーマンは大きくて
昇降時どうよけるか懸念中のその後ろのサラリーマンやそのまた後ろのサラリーマンを
その時足をかける計画中のランドセル
その陰で
触った触ってないで問答が始まって
押さえつけようとしたサラリーマンは逆に胸ぐらをつかまれ
つかみやすいネクタイ
まるで犬のようなサラリーマン
所詮サラリーマンなんて犬のようなもの
3回まわってワンと言えば
たいがいのことは許される
なんて
眼鏡の範囲外を眺め
バスが来るのを待っている
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