フィクション/猫のひたい撫でるたま子
 
目をさまし、またUターンする枕元まで

人が居ない時間帯、ベランダから見える薄青の寒さがいい

体の一部と自分とが、2秒くらい離れてきた

記憶荷物積みあがった出鱈目な歴史の部屋。鉛筆、使わなくなった財布、少し残ったリーキュールの瓶が何本か。誰かの忘れ物、ダンボール、当分返さない本。洗ってない筆、絵の具、インスタントコーヒーの瓶にいれた貝や珊瑚、クレパス、パネル、記憶に期限切れの写真。

靴下を履きかえる。

今日の終わりがまだこない


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