眼帯少年は愛を知る/
やぶさめ
「醜いでせう
この左眼は魚眼なのですよ
さあ、醜いと僕を罵れば良ひ
さあ、さあ、さあ!」
少女は応ふ
「なんと美しひ眼球なのでせう
澄んだ青いろをしているでは在りませむか」
青少女は其の白きおよびで
眼帯をなぞる
美しき青き滴が
魚眼から零れ落ちて
眼帯少年は
愛を知る
戻る
編
削
Point
(2)