眼帯少年は愛を知る/やぶさめ
 


「醜いでせう
この左眼は魚眼なのですよ
さあ、醜いと僕を罵れば良ひ

さあ、さあ、さあ!」


少女は応ふ
「なんと美しひ眼球なのでせう
澄んだ青いろをしているでは在りませむか」


青少女は其の白きおよびで
眼帯をなぞる



美しき青き滴が
魚眼から零れ落ちて


眼帯少年は
愛を知る


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