恥男/
金井省悟
・・・俺は社会の恥たる男
俺は稀代の恥たる男
世間の空隙を縫う無理数
元来、疾患だらけの皮膚を持ち
指の発疹を数えて
湿った布団を抜け出す
角の子供が笑うから
夜を歩くことにしている
咳にも良いと思うから
夜を歩くことにしている
俺 、 社 会 の 恥 男 !
俺は軋むドア! 心臓磨り減らし!
町から町! うろつき周る!
靴紐はだらしなく解けたまま!
むしろ人目につくこともなく!
俺の質量
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