追求追求/やぶさめ
わたくしにだって美学はありますが生きていく上で常に其れを意識してしまっては流石のわたくしも疲れてしまうためにやはりこの場所はありのままでよいのですと自らの胸の内で答えを導き出し此処に書き記す所存でございますと言った少女の母体は朽ち果てた木の上で菌として必死に生きる生命を見守りながらやはり美学を追求してしまう己を疎ましく思いつつ過去の過ちを拭いきれずに咎人となり生きる決意をするのか否か葛藤する内に時は過ぎてしまい結論を出せぬまま木の骸へと躯を預け死に逝く
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