俺のフェラーリで/ふくだわらまんじゅうろう
 
まえのその曲線をなぞっているようだ!
陶酔!
陶酔!陶酔!陶酔!
そろそろ先っちょが湿ってきたかい?
空の向こうまで
明日の仕事なんてサボっちまえって
俺のフェラーリをすっとばして
さあ、音速の恵沢まであと一歩
俺は鮟鱇にでも生まれ変わるのさ
ああ、あの黒い山の稜線は
黒くて黒い山の稜線は
黒くて黒くて黒くて黒い
山の稜線はおまえの
熱く湿ったおまえの稜線の
まさにスピード地獄の蜘蛛の糸
おまわりもひまわりも追いつけない灼熱の空気圧
ああ、この息苦しさはまるで
まるでしかくでおまえの立体の
多面構造を無視し無視した粘膜の鳥居の幾重にも連なる
その連なりの無限性
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