俺のフェラーリで/ふくだわらまんじゅうろう
 
俺のフェラーリをすっとばして
空の向こうまで
行ってみようじゃねえか

このアクセルを底まで踏んだら
いったい何キロ出ると思う?
おまえのそのボディラインに負けない
流線型の風を斬って
高速自動車道なんてケチなこと言わない
俺がいちいちシフトチェンジする度に
ぴくりと震えるおまえの身体を
俺はどこまで愛してやりゃいいんだい?
このリトラクタブルヘッドライトが占う夜の長さを
おまえの粘液だけで慰められるとでも思っているのかい?
タイヤが鳴くような遠心力
このフェラーリも
俺も
おまえも
いつコースアウトしちまってもかまわないのさ
ああ、この道はまるで
おまえ
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