off/夏嶋 真子
 
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部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。

街灯の光がカーテンを透かし
うっすらとしたわたし、の
昨日の影が伸びる。
つけっぱなしの世界に散乱した光が
キとラの音で傷つきやすい夜を削っていく。



テレビの電源を消したら
そこに映っていたものたちは
どこに消えるの?
はじめからありもしないものたちの
おわり。を儚んで泣いた。

「きっと、誰かの世界にうまれるのよ。
待っていてくれる誰かのところへ消える、の。」
 
まるで母親みたいに

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