「冬の肌」(2/3)/月乃助
ばかりの金と引き換えに差し出される。
痩せた体は、村の八潮の若木を思わせるすっと立ったもので、腰の華奢な感じが少女のそれを残している。形の良い乳房はその柔らかさを見せ、うすい桜色の乳首も重を誘っているようだった。
白人の娼婦のような白すぎる肌と違う、故郷の村娘のような畑仕事の陽にさらされた亜麻色の肌が、ドレスの下から姿を見せるとただ、少しの間、呆けたようにその娘の肌が燭光をはじくのを見つめていた。
リボンを解いた堅い縮れた長い黒髪は、重の目にしたこともないもの。それは、重にこの北の異国の港にやってきているのを嫌でも教える。
(つづく)
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