「冬の肌」(1/3)/月乃助
 
出されてきて、西洋風のドレスを不器用に着こなしては男達を迎え相手をするのが常だった。女のほとんどは英語さえもままならない、そんな者たちなのに、男達はそんなことなど気にもせず愉快に女達を相手に喉を焼く自家製という振れ込みのウィスキーをたらふく飲み、肌の色の違う女達を抱いていった。
 女達の方も白人の男に抱かれることなど自分の連れ合いや村の男を相手にするほどにしか考えておらず、自分が娼婦などと微塵も思っていなのは、彼女らの輝くような目の、その光が失われずにいるのでも分かる。
 自分達の働きで幾ばくかの金がもたらす品物と村の者達の歓びを自負する心だけが、女達の胸を満たしていた。娼婦のすることなど、秋
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