『指』/あおい満月
あなたが愛するこの指が
毎日どれだけの幸せを包んでいいるか
あなたは知っているかしら
あなたが愛するこの指が
毎日どんな風に打たれて
泣いているのか
あなたは知っているかしら
わたしが愛するあなたのその指が
毎日どんな願いを紡いでいるか
わたしはまだ知らない
わたしが愛する
あなたのその指が
どんな未来をつくるのか
わたしはまだ知らない
お互いの指が
時計の針のように
触れ合っては離れ
時を歩いていく
鏡のなかで
手を合わせて
ふたつの指の鼓動を感じる
いつか
指切りを交わした夜のように
秘密の扉をわけあいながら微笑んでいる
あなたの指の
温度を知っている
寂しくてやさしいぬくもり
わたしの指の温度を伝える
強くてかなしいぬくもり
いつも
どこかが足りなくて
いつもどこかを愛している
指切りのように
ただ
切なく
2009.9.14(Mon)
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